人員不足と住民の反対

待機児童問題解決のために国が動き始めてから、保育園自体は徐々に増加してきています。しかし、施設は増加してはいるものの、そこで勤務する保育士を十分に確保することができていません。保育のプロフェッショナルである保育士の仕事にやりがいを感じつづけている方も多くいます。

その一方で、仕事内容がハードであるのに対して給料が安い、人間関係がうまくいかないなどの理由で、離職してしまう方も多いのです。実際のところ保育士の資格保持者は大勢いるのですが、先述した理由でもう一度働くことを選択していない方はたくさんいます。

そのほか、保育所自体の数を増やしていく取り組みも順調には進んでいないというのが現状です。というのも、保育所をつくることに賛成しない住民が少なからずいるためです。理由としては騒音などをあげることができます。また、保育園の前に送迎の車が停車していて通るときに邪魔、保護者が保育園の前で立ち話をしていてうるさい、邪魔という理由で反対する方も少なくありません。実際、新設された保育所にはこうしたことを理由に苦情の電話がよくかかってくるという問題も起こっているようです。人口の集中による保育所不足や人手不足、新設に対する近隣住民の反対など、待機児童問題の解決には多くのハードルがあるのです。