人口集中と施設不足

待機児童問題が解決しない理由のひとつとして、都市部に人口・子どもが多い点をあげることができます。都市部は求人も豊富で、交通の便も良く、何でもモノやサービスが整っているために暮らす場所として選択する方が多いです。

しかし、保育所の数には限りがあります。人口の偏りが生じていることにより、現存する保育所だけですべての子どもを預かることができていないというわけです。実際、人口・子どもの少ない地方都市では定員割れを起こしてしまっている保育所が多いことも指摘されています。

都市部に保育所が足りていないのであれば新しくつくってしまえば一気に解決するのではないかと思う方もいらっしゃるでしょうが、そう簡単にいくような話ではありません。都市部は建物が隙間なく建ち並び、地方のようにひろびろとした空きスペースがありません。ただでさえ狭苦しい環境下で、国の基準をクリアする土地や園庭のスペースを確保することは困難という問題があるのです。それでは空きがある保育所が多い地域に引越せばよいのではないかという方もいらっしゃるでしょうが、保育所に預けるために住む場所を変え、仕事まで変えてというのはそう上手くいくものではないでしょう。